イケメン検事の一途な愛
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「少し夜風に当たって来ます」
ダメだ。
彼の顔が見れない。
自業自得なんだけど……。
彼の頬にキスをしてしまい、その衝動に駆られた自分があまりにも恥ずかし過ぎて。
履きなれない下駄でバランスを崩した私は彼の腕に抱き留められた。
その後のことがよく思い出せない。
彼が何か言ってるのは分かるんだけど、あまりにも色っぽい瞳で見つめられて。
私の脳内は完全にショートした。
自分で仕掛けておいて対応できないとか、恥ずかし過ぎて…。
気づいた時には彼と手を繋いで部屋へと戻って来た。
何やってるんだろう。
彼にしたら、よろけた私を抱き留めただけなのに。
そんな些細なこと一つで見悶えてしまうだなんて。
顔から湯気が出てるんじゃないかと思うくらい熱くて。
近くにいるだけで危険だ。
ラグジュアリーな室内の雰囲気と幻想的な雰囲気を醸し出すテラス。
更にそれらの奥に見えるオーシャンビュー。
全ての演出に一瞬で吞まれそうだ。
気を落ち着かせようとテラスへと出た。
高級感のある屋外用ソファーに座り深呼吸。
ゆったりと寛げる幻想的な空間に潮風とさざなみの音。
そして、部屋から流れて来る癒しのメロディー。
ここ数日に起きた出来事さえ忘れてしまうほどの余韻を味わって。
背もたれに体を預け夜空と海を堪能していると、ふんわりとしたものが脚に。
「湯冷めするぞ」
彼がひざ掛けをかけてくれた。
そういうさりげない優しさが堪らなく嬉しくて。
彼の手を掴み、引き寄せていた。