離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました
再会と決別の夜
 その日、純玲はタブレットを片手にひとり会議室に向かっていた。

 純玲が務めるここ株式会社百田ホールディングスは、新興財閥系巨大グループ企業のホールディングス会社だ。
 
 百田グループは食品関係から金融、エネルギー関係まで国内外問わずさまざまな事業を展開している日本屈指の一流企業で、関係会社の数は小さいものを合わせると数百に上り、本社である百田ホールディングスは東京丸の内に自社ビルを構えている。

 ダメ元で入社試験を受け、内定をもらった時には信じられない気持ちだった。
 入社からはや2年。3年目となった純玲は25歳になったばかりだ。

 純玲は入社時から総務部に所属している。総務の業務内容は多岐に渡る。
 社内備品から掃除業者の手配、派遣会社とのやりとりや不動産情報の管理、はたまた情報システム部と連携してのシステム開発など、とにかく業務の種類が多い。

 その中で現在純玲は海外からのインターン学生の受け入れなどの業務を主に担当していた。
 業務はそれだけでなく、庶務的なことも多い。社内の備品チェックなどの細かい仕事も主に総務の若手が持ち回りで行っている。
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