離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました
  仕事も神崎や先輩に指導を受けながら少しずつ自信が持てるようになってきて、社長を前にしても以前より緊張しなくなっている。
 いろいろなことがいい方向に回り始めていた。

 そして今、純玲は泰雅が務める法律事務所が入るビルを訪れていた。

 当初の約束どおり、泰雅の妻として所長に挨拶する為だ。夕方の訪問にも関わらず万全を期すため、秘書室に異動して以来初めて有給休暇まで取った。

(さすが、大手法律事務所……入居しているビルもスタイリッシュだわ)
 高梨・モルトレー法律事務所は大手町に出来た新しいオフィスビル内に居を構えている。
 百田ホールディングスの本社ビルも立派だが、こちらのビルも負けていない。先進的なデザインの建物だ。

 純玲は広いエレベーターホールに進み、上階行のエレベータに乗り込む。

(受付は15階だよね。うぅ、なんか、緊張するなぁ……これ弁護士の奥さんに見えるかなぁ。泰雅さんはいつも通りで大丈夫っていったけど)
< 93 / 248 >

この作品をシェア

pagetop