俺様ドクターは果てなき激愛で契約妻を捕らえて離さない
確かに、幸也さんと未華子先生が一緒にいる姿を見て、仲が良いと思うことはあっても、そこに甘い雰囲気を感じ取ったことは一度もない。
それに、元恋人同士ならばぎこちなさも残っているように思うけどそれも感じられなかった。
それなのにどうして智花さんの嘘にあっさりと騙されてしまったのだろう。幸也さんがストレートな愛情表現に弱いことを未華子先生が知っていたのも、元恋人だからという理由だけではなくて幼馴染だからという理由でも説明がつくのに。
私が勝手に騙されて、落ち込んで、悩んでいただけだったんだ。
「ごめんなさい」
頭を下げて幸也さんに謝った。
「いや、俺の方こそ悪かった。俺が大人気なくお前のことを避けていたから、神名先生の娘の言葉を俺に確かめることができなかったんだよな。ごめん、芙美。俺がお前を不安にさせた」
幸也さんは私の体を引き寄せると背中に腕を回してぎゅっと抱きしめる。
「それに、神名先生の娘がお前にやけに攻撃的なことにも気付いていたのに。だから、芙美の膝の傷を見たとき、彼女に突き飛ばされでもしたのかと焦った。あの女はそういうことをやり兼ねないから」
私の傷を見た幸也さんが誰かに突き飛ばされたのかと物騒なことを言い出したのは、そういうことだったんだ。