俺様ドクターは果てなき激愛で契約妻を捕らえて離さない
「そんなこと誰から聞いて……いや、お前にそんな嘘吐くのはひとりしかいないよな」
「嘘?」
パッと顔を上げた私に幸也さんが尋ねる。
「神名先生の娘から聞いたんだろ」
「えっ……はい」
一瞬迷ったものの正直に頷いた。やっぱり、と呟いた幸也さんが重いため息を吐く。
「お前はそれを信じたのか。最近知ったばかりの神名先生の娘よりも、俺や成田との方が付き合いがながくて関係も濃いんだから、俺たちにそんな甘い雰囲気がないことくらいわかるだろうが」
「それじゃあ、ふたりが付き合っていたというのは」
「嘘に決まってる」
苛立ちを押さえるように幸也さんがさっと前髪をかきあげた。
「どうしてそんな見え透いた嘘を信じるんだ。まずは疑え」
「でもっ」
信じてしまうほどの証拠があったのだ。
「最近、幸也さんとの関係がうまくいっていないと未華子先生に相談したら、幸也さんはストーレートな愛情表現に弱いと教えてくれて。付き合っていた頃に、未華子先生もそうやって幸也さんに甘えていたのかなと思ったから」
「想像するだけで気持ち悪いんだが」
幸也さんが心底嫌そうな顔をする。それを見て、私はようやく冷静になれた。