切れない縁
翌日帰宅すると、お義母さんが健一郎に抱きついて喜んでくれた。

「ケンちゃんおめでとう!本当におめでとう」

「浩一のようにケンも牛か?」

「う〜んまだわかんないなぁ。大学で実習して良く考えてから決めるつもり」

「浩一も北海道だし、美波ちゃんの実家も札幌だから、ケンちゃんが1人暮らしになっても何とかなるかしらねぇ」

「そうですね。健一郎も少しはお料理作れるように春休みは特訓する?」

「そうだなぁ。これからは必要だもんなぁ。コンビニ弁当ばかりじゃやだもんなぁ」

「ケン頑張れよ。爺ちゃんも嬉しくて血圧上がるわ」

「爺ちゃん、婆ちゃん本当にありがとう。」

「ケンちゃんおめでとう。良く頑張ったね」

「母さん、寿司屋は何時に届くんだ?」

「隆二に電話したら19:30には帰れるって言うから19:15にしたわよ」

「うん。バッチリだな」
とニコニコ顔のお義父さんとお義母さんだった。

久しぶりに全員が揃ってお祝いの食事となった。

隆二さんも喜んでいた。

健一郎の大学合格は、離婚話のカウントダウンの始まりでもあるのだ。
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