壊れるほどに愛さないで
「雪斗……それ」

玄関先のコンクリの床には、茶封筒が、置いてあるのが見えた。すぐに雪斗が広い上げると、辺りを確認してから、扉を閉める。

「くそ……逃げ足早いな」

そして、雪斗は、すぐに茶封筒を開くと、中から白い紙を一枚取り出した。

白い紙には、パソコンの文字が一行だけ並んでいる。

『美織、また会いにいくから。愛してる』

以前、営業所にとどいたモノに酷似している。

「雪斗……」

雪斗は、グシャッと茶封筒ごと手紙を握りしめると、私を抱き寄せた。

「大丈夫だよ。美織は、俺が必ず守るから。もう離すもんか……」

雪斗の体温に包まれて、心地良い鼓動を確かめながら、私は、言いようのない不安を感じていた。

「雪斗……」

「絶対……もう二度と、離さない」

雪斗は、暫く小さく震える私をずっと抱きしめてくれていた。

この手を離したくない。それなのに、目に見えない足音がどんどん近づいてくる気がして、怖くて、怖くて堪らなかった。
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