壊れるほどに愛さないで
「……困ったな」

「友也?」 

「うん、どうせなら、女医の方が、美織も抵抗ないかなって。僕の医大の同期だった女の子の母親が、経営してるレディース クリニックが、今日の午後診しか開いてなくて、明日は、休診日なんだ。また土日挟むから……来週にしようか?」

「あ、吐き気も治まったし、私も急に休むと会社に迷惑が、かかるから、午後診で行ってくる」

友也は、私の顔を見ながら、すぐに首を振る。

「ダメだよ。無理してる、昨日あんな事があったばかりなのに、美織を一人にできないし、病院には、僕も行く……僕の子供を……妊娠してるかもしれないから……」 

「う……ん」

そう、友也は、雪斗の事があってから、セックスの際、避妊をしなかった。同時期に私は、雪斗とも関係を持ったが、最後の記憶が曖昧で雪斗が、避妊をしてくれたのかどうかは分からない。ただ、何となく、雪斗の事だから、避妊は、ちゃんとしているような気がした。

「友也……やっぱり早めに診てもらいたいし、午後診でいくから、そのかわり、帰り、駅まで迎えに来てくれる?」

「うん、分かった。じゃあ、とりあえず、後で一度家に帰って、車取ってくる。会社には、僕が送っていくからね」

「友也、ありがとう……」


私は、お腹にそっと掌を当てた。

(もし本当に……友也の子を妊娠していたら)


もう雪斗の側には、居られない。
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