壊れるほどに愛さないで
「顔を上げてください。じゃあ、マリア像を撮ったのも、その、彼なんですか?」

「えぇ、マリア像を撮ったのも彼。彼は、とにかく美野里さんにすごく執着してる。えと、誰だっけ……まりさん?に、似てるからとか言ってたけど」

「まりさん?それって……本当ですか?!」

美野里に執着している犯人が口にした、まりさんというのは、恐らく美野里の母親の麻里の事じゃないだろうか?

「え?知ってるの?そう言われたら自信ないけど、確かそう言ってた気がするけど」

雪斗だったら、ここまでの情報があれば、もしかしたら、犯人が分かるかもしれない。

「ごめん、電話鳴りっぱなしだし、もう行くね」

桃葉は、私に背を向けると神社の階段を転げる様に駆け降りていった。私は、その背を眺めながら顎に拳を乗せた。

「……マリア像を撮影したM、雪斗と同じ写真サークルの27期生、麻里さんと美野里さんに異常な執着。そして桃葉さんと接点がある、か……」

あのマリア像の写真は、展覧会の会場で雪斗が来る前に私のスマホで写真だけ撮っておいた。そして、今日レディース クリニックに行く前に、私はその画像をコンビニで印刷したところだった。スマホを取り出すと、拡大してもう一度画像を眺めてみる。


「美織」


────え?
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