壊れるほどに愛さないで
──ブーッ、ブーッ。


すぐそばの地面から、スマホが震える音がする。気づけば、手に持っていたはずのスマホがない。私と一瞬に転げ落ちたのだろう。そして電話の相手は、恐らく友也だ。

(友也に言わなきゃ……)

目を開けるのもままならないまま、スマホに手を伸ばそうとするが、身体は言うことをきかない。

(……もう……だ、め……)



「……美織ちゃん!美織ちゃん!」

意識を手放そうとしたその瞬間、誰かが肩に触れると私の耳元で呼びかける。

(この声……)

私は、そのまま瞼を開けることなく意識を失った。
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