壊れるほどに愛さないで
瞳を開ければ、真っ白な天井と点滴の袋が見える。
「美織っ、分かる?!僕だよ!」
「とも……や……どして?」
病院独特の消毒液にまみれた匂いと全身の痛みで、すぐに此処が病院のベッドの上だと気づいたが、なぜ私は此処に居るんだろうか?
「美織、階段から足を滑らせて転げ落ちたの覚えてる?」
「足を滑らせた?……私が?」
起き上がろうとした私を、すぐに友也が支えてくれる。
「美織、寝てた方が……」
私はなんとか起き上がると、すぐに友也に犯人のことを伝える。
「私、友也に言わなきゃいけないの!転げ落ちたんじゃないの、犯人に突き落とされたの……」
「え?美織、詳しく思い出せる?!」
「うん。その時、見たの。私を突き落とした犯人、赤髪の男を……」
「赤髪?!」
「うん、間違いない。転げ落ちてから、一瞬だけど見たの。短い短髪を赤く染めてた。サングラスとマスクで、やっぱり顔は分からなかったけれど……」
友也は顔を曇らせると、顎に拳を当てた。
「赤い……髪か」
「友也?」
「ううん。おいで、美織怖かったよね」
友也が、私の掌をそっと包見込んだ。
小さく頷けば、頭の片隅から湧き出す様に落下の感覚が記憶と共に蘇ってくる。
「あ……」
──思わず口を覆うと、すぐに私はカタカタと全身が震えてくる。
震えながら、片手で自分の体に触れるが、全身が痛くお腹が痛いのかどうかは分からない。
でも何十段も階段から転がり落ちて赤ちゃんが無事なんてことあるのだろうか?あのエコー写真の小さな命は、どうなったんだろうか?シャボン玉みたいに、か弱いまだ小さな命だ。お腹の中とはいえ階段から落ちたら、きっとひとたまりもない。
「美織っ、分かる?!僕だよ!」
「とも……や……どして?」
病院独特の消毒液にまみれた匂いと全身の痛みで、すぐに此処が病院のベッドの上だと気づいたが、なぜ私は此処に居るんだろうか?
「美織、階段から足を滑らせて転げ落ちたの覚えてる?」
「足を滑らせた?……私が?」
起き上がろうとした私を、すぐに友也が支えてくれる。
「美織、寝てた方が……」
私はなんとか起き上がると、すぐに友也に犯人のことを伝える。
「私、友也に言わなきゃいけないの!転げ落ちたんじゃないの、犯人に突き落とされたの……」
「え?美織、詳しく思い出せる?!」
「うん。その時、見たの。私を突き落とした犯人、赤髪の男を……」
「赤髪?!」
「うん、間違いない。転げ落ちてから、一瞬だけど見たの。短い短髪を赤く染めてた。サングラスとマスクで、やっぱり顔は分からなかったけれど……」
友也は顔を曇らせると、顎に拳を当てた。
「赤い……髪か」
「友也?」
「ううん。おいで、美織怖かったよね」
友也が、私の掌をそっと包見込んだ。
小さく頷けば、頭の片隅から湧き出す様に落下の感覚が記憶と共に蘇ってくる。
「あ……」
──思わず口を覆うと、すぐに私はカタカタと全身が震えてくる。
震えながら、片手で自分の体に触れるが、全身が痛くお腹が痛いのかどうかは分からない。
でも何十段も階段から転がり落ちて赤ちゃんが無事なんてことあるのだろうか?あのエコー写真の小さな命は、どうなったんだろうか?シャボン玉みたいに、か弱いまだ小さな命だ。お腹の中とはいえ階段から落ちたら、きっとひとたまりもない。