壊れるほどに愛さないで
「分からないのに、……待野君と居ると心臓が落ち着かなくて……でも、居心地は、悪くなくて。会ったばかりなのに、友也もいるのに。私……どうしちゃったんだろ」

和が、大きな瞳を細めると、私の頭を撫でた。

「美織は、何でも我慢しちゃうから。仕事も頼まれたら絶対断らないし、かと言って誰かを頼ったりもしない、何でも自分で抱え込んで我慢しちゃうクセだよ……友也さんの事も、もっと嫌な時は嫌だって、言わなきゃ」

「我慢……してるのかな?」

「あたしにはしてるように見えちゃうかおな……ね、結婚してる訳じゃあるまいし、たまには、心のままに行動してみたら?待野君とデート行くとか?待野君もまんざらじゃなさそうだし」

「え!ちょっと、和……」

真っ赤になった私を見ながら、和が、唇を持ち上げた。

「来た来た」

和の目線の先を辿れば、ようやく、工藤課長と増川部長から解放された、雪斗と恭平が、私と和の座るテーブルへとやってくる。

「和、おまたせー」

恭平は、やれやれと言った感じで和の前に座る。

「美織さん、此処いい?」

「あ、どうぞ」

雪斗がネクタイを雑に緩めながら、私の前に座った。

すぐに私を見ると、雪斗が、クスッと笑った。
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