壊れるほどに愛さないで
和が、だし巻きを自分の口に放り込むと、目の前の恭平も雛鳥のように、口を開けた。

「和ー、俺にもちょうだい」

「ばか、部長達に見られたらどーすんの」

「部長達の長話に疲れてんの、お願い!一回だけ」

頬を少しだけ染めた和が、辺りを気にしながら、恭平の口にポンとだし巻きを放り込んだ。

「うま、やっぱ和が口に入れてくれた、だし巻き最高ー」

和が、もう、と口を尖らせるのを見ながら、私と雪斗は、顔を見合わせて笑った。


ーーーーふいにテーブルに裏返して置いていたスマホが震える。

「美織さん、電話」

恐らく、友也だろう。

「出ないの?」

震えるスマホを眺めている私を見て、雪斗が首を傾げた。

「あ……ちょっと外ででてくるね」

私は、スマホ片手に店の外へと足を向けた。

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