壊れるほどに愛さないで
「うん、夜遅いから、美織が心配で」
『大丈夫だよ、帰りは和とタクシーで帰るし……』
「場所どこ?迎えに行くよ」
美織から、すぐに返事はない。
わずかな沈黙が、美織が僕に会いたくない事実を突きつけられる。
『えと、何時に終わるか分からないから、大丈夫。また家に着いたら連絡するね』
「そっか……気をつけてね」
『うん……』
「じゃあ、また僕も連絡……」
『美織さん、あ、ごめっ……』
ーーーー電話を切ろうとした時だった。
美織のスマホの向こう側から、男の声がした。
僕のスマホを握る手に力がこもる。
「美織?誰?」
『あ……会社の人が呼びにきてくれたから切るね』
「美織、待っ……」
話中音が聞こえてきて、僕は、呆然とした。
「誰だ……?」
まず、美織の事を、『美織さん』と呼んでいた事。
ただの会社の同僚ならば、『葉山さん』が普通じゃないだろうか?
何故だか、美織が、嘘を吐いたあの日、美織と話していた男の後ろ姿を思い出す。
ーーーーそれに、あの声。
少し高めの声。嫉妬からだろうか?
僕は、あの声を聞いたことがある、そんな気がした。
『大丈夫だよ、帰りは和とタクシーで帰るし……』
「場所どこ?迎えに行くよ」
美織から、すぐに返事はない。
わずかな沈黙が、美織が僕に会いたくない事実を突きつけられる。
『えと、何時に終わるか分からないから、大丈夫。また家に着いたら連絡するね』
「そっか……気をつけてね」
『うん……』
「じゃあ、また僕も連絡……」
『美織さん、あ、ごめっ……』
ーーーー電話を切ろうとした時だった。
美織のスマホの向こう側から、男の声がした。
僕のスマホを握る手に力がこもる。
「美織?誰?」
『あ……会社の人が呼びにきてくれたから切るね』
「美織、待っ……」
話中音が聞こえてきて、僕は、呆然とした。
「誰だ……?」
まず、美織の事を、『美織さん』と呼んでいた事。
ただの会社の同僚ならば、『葉山さん』が普通じゃないだろうか?
何故だか、美織が、嘘を吐いたあの日、美織と話していた男の後ろ姿を思い出す。
ーーーーそれに、あの声。
少し高めの声。嫉妬からだろうか?
僕は、あの声を聞いたことがある、そんな気がした。