壊れるほどに愛さないで
歓送迎会も無事終わり、鳥吉を出て、俺達は、タクシーを拾うために、大通り向かって歩いていた。
「和、美味しかったね」
「枝豆いっぱいたべたね、美織」
振り向けば、少し後ろをあるく美織が、長い栗色の髪を揺らしながら、和に微笑みかける。自分に向けられた訳でもないのに、その笑顔から目が離せなくなる。
「雪斗、気になんの?」
酔っ払いの恭平が、ニヤつきながら、俺に顔を寄せる。
「珍しいな、雪斗が、他の女、気にするなんて」
「うるせぇな、そんなんじゃねーけどさ」
そう、そんなんじゃない。そんな訳ない。
美野里以外に興味なんてないから。ただ、美織が、何故だか気になって仕方ない。さっきの美織にかかってきた、無言電話のせいもあるんだろうか。
「じゃあ何?お前の美織ちゃんと話す時の顔、俺の知ってる、お前の顔と全然違うけどな」
唇を持ち上げながら、恭平が笑う。
「別に……特別な何かじゃないし……よくわかんねぇんだよ」
気心知れた恭平に思わず本音が漏れた。
何故だかわからなくて、自分でも困る。何故、彼女が、気になるのか。何故、目が離せないのか。明確な理由もないのに、ただ、心が、引き寄せられそうになる。
「てゆうか、桃葉は?まだ引っ付かれてんの?」
「いい加減にしようと思って、引っ越したけど……今の家バレた」
「成程ね。桃葉は、雪斗にべったりだからな。でも……無理だって、ちゃんと言ってやるのも、優しさだと思うけどね」
「分かってる……」
桃葉との関係も、きちんと終わらせなければいけない。桃葉の気持ちに応えてやれないのなんて、初めから分かっていたのに、俺は、自分の寂しい心の隙間を埋めるために、桃葉の気持ちを利用した。本当、最低だ。
「あと、俺は、雪斗にさ、美野里ちゃん以外の女にも目向けてほしいんだよ」
隣の恭平は、やけに真面目な顔で、俺は、咄嗟にそっぽを向いた。
「もう……充分苦しんだだろ?」
「どうだろうな……俺は……まだ自分が許せない」
俺は、交差点で立ち止まると、ちょうどやってきたタクシーを手を上げて停めた。
「和、美味しかったね」
「枝豆いっぱいたべたね、美織」
振り向けば、少し後ろをあるく美織が、長い栗色の髪を揺らしながら、和に微笑みかける。自分に向けられた訳でもないのに、その笑顔から目が離せなくなる。
「雪斗、気になんの?」
酔っ払いの恭平が、ニヤつきながら、俺に顔を寄せる。
「珍しいな、雪斗が、他の女、気にするなんて」
「うるせぇな、そんなんじゃねーけどさ」
そう、そんなんじゃない。そんな訳ない。
美野里以外に興味なんてないから。ただ、美織が、何故だか気になって仕方ない。さっきの美織にかかってきた、無言電話のせいもあるんだろうか。
「じゃあ何?お前の美織ちゃんと話す時の顔、俺の知ってる、お前の顔と全然違うけどな」
唇を持ち上げながら、恭平が笑う。
「別に……特別な何かじゃないし……よくわかんねぇんだよ」
気心知れた恭平に思わず本音が漏れた。
何故だかわからなくて、自分でも困る。何故、彼女が、気になるのか。何故、目が離せないのか。明確な理由もないのに、ただ、心が、引き寄せられそうになる。
「てゆうか、桃葉は?まだ引っ付かれてんの?」
「いい加減にしようと思って、引っ越したけど……今の家バレた」
「成程ね。桃葉は、雪斗にべったりだからな。でも……無理だって、ちゃんと言ってやるのも、優しさだと思うけどね」
「分かってる……」
桃葉との関係も、きちんと終わらせなければいけない。桃葉の気持ちに応えてやれないのなんて、初めから分かっていたのに、俺は、自分の寂しい心の隙間を埋めるために、桃葉の気持ちを利用した。本当、最低だ。
「あと、俺は、雪斗にさ、美野里ちゃん以外の女にも目向けてほしいんだよ」
隣の恭平は、やけに真面目な顔で、俺は、咄嗟にそっぽを向いた。
「もう……充分苦しんだだろ?」
「どうだろうな……俺は……まだ自分が許せない」
俺は、交差点で立ち止まると、ちょうどやってきたタクシーを手を上げて停めた。