壊れるほどに愛さないで
「……ごめ……大丈夫」

雪斗が、私から少しだけ体を離すと、心配そうに眉を下げた。

「本当に?」

私が、小さく頷いた時だった。

「えっ!ちょ……美織っ?雪斗君?」

従業員出入り口から入ってきた、和の驚いた声に、私達は、慌てて互いの体を離した。

雪斗が、手紙をさりげなく自身の鞄に放り込む。

「え?待って、嘘でしょ」

和は、目を丸くしている。雪斗が、顔の前で掌を振った。

「あー……違います、ちょっと美織、過呼吸起こしたんで、背中摩ってて……」 

「え!美織、大丈夫!?」

和が、慌てて駆け寄ってくる。

「うん、摩ってもらって、落ち着いたから」

和には、私が、心臓移植をしていること、記憶発作を稀に起こすことを話している為、和は、すぐに私の手を引いた。

「医務室行こう?」

「でも……」

「あ、俺、益川部長に言っとくし、少し横になった方が、いいと思う」

私は、雪斗の言葉に小さく頷くと、和に支えられて医務室へと向かった。
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