壊れるほどに愛さないで
和は、ベッドに私を寝かせると、すぐ側の簡易の丸椅子に座る。

「少しは、落ち着いた?」

「うん……記憶発作なんて……久しぶり」

和が、そっと私の肩に手を置いた。

「怖かったね、大丈夫?」 

「うん……」

「友也さんと……何か……あったの?」
 
手紙のことが過ぎって、顔が曇っていた私は、慌てて首を振った。

「ううん、大丈夫」

「そっか、良かった。珍しいね、記憶発作。最近仕事忙しいから、美織、疲れてたかな……あ、お茶入れるね」

和は、立ち上がると、ポットでお湯を沸かす。

「で、昨日は、ちゃんと帰れた?」

「えと……」

雪斗の温もりと匂いを思い出して、思わず顔がカッと熱くなる。

「え……美織、顔真っ赤……ちょっと、どういうことよ?まさか……泊まったの?って、その服も見たことないけど……」

「あんまり……覚えてないんだけど……その、酔って寝ちゃったらしくて……雪斗が、泊めてくれて……元カノさんの洋服貸してくれて……」

「雪斗?!本カノの服?!」

私は、思わず人差し指を唇に当てた。

「しーっ!和っ……声おっきいよ……その……」

私の真っ赤な顔を見て、和が、更に目を見開く。

「え?まさか……ついでに……やっちゃった……?」
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