六月の月に愛を誓う。
私自身ももう中二の六月だというのに矢野くんとは去年クラスも違い、同じクラスになってからも一度も話したことはなく名前すら危ういくらいだった。
イケメンだと騒いでいる友達からちらりと話を聞くことはあっても、そういうものには疎く興味もあまりなかったからいつも聞き流していたのだ。
「あ、あの、さっき言ってたことなんだけど、矢野くんもこの漫画好きなの…?」
友達を待っている間に読んでいた少年漫画を見せると、矢野くんはこくりと頷いた。
少し意外だ。
クールだと有名な矢野くんも漫画を読んだりするんだ…。
「私も最近読み始めたんだけど、これ少年漫画なのにハラハラしてすっごく面白いね!すっかりはまっちゃった」
「…ボスが襲撃してきたとこ、見た?」
心なしか矢野くんの瞳が小さな少年のように少し輝いている気がした。
「見た見た!てか今ちょうどそこだよ。一番面白い展開なのに実は私、ここまでしか持ってなくて…。今月のお小遣いももう使い果たしちゃったから来月まで待たないとなんだあ…」
「そうなんだ」
こういう時、バイトなど働けない中学生は不便だと感じる。
イケメンだと騒いでいる友達からちらりと話を聞くことはあっても、そういうものには疎く興味もあまりなかったからいつも聞き流していたのだ。
「あ、あの、さっき言ってたことなんだけど、矢野くんもこの漫画好きなの…?」
友達を待っている間に読んでいた少年漫画を見せると、矢野くんはこくりと頷いた。
少し意外だ。
クールだと有名な矢野くんも漫画を読んだりするんだ…。
「私も最近読み始めたんだけど、これ少年漫画なのにハラハラしてすっごく面白いね!すっかりはまっちゃった」
「…ボスが襲撃してきたとこ、見た?」
心なしか矢野くんの瞳が小さな少年のように少し輝いている気がした。
「見た見た!てか今ちょうどそこだよ。一番面白い展開なのに実は私、ここまでしか持ってなくて…。今月のお小遣いももう使い果たしちゃったから来月まで待たないとなんだあ…」
「そうなんだ」
こういう時、バイトなど働けない中学生は不便だと感じる。