六月の月に愛を誓う。
梨花の声を聞きながら、意識がゆっくりと薄れていくのを止められなかった。





目を覚ますと、見慣れない白い天井が目に入ってきた。

ここは…。


「…っ」

「あ、起きた?ちょうどお昼休み入ったとこだよー」


勢いよく起き上がると、パソコン作業をしていた養護教諭の先生が、眼鏡を外しながら私に気づいたように顔を出してきた。


「私…」

「寝不足で倒れたみたいね。メイクで隠してるけどクマもひどいし、何かストレスが溜まってる?」

「…あ」


昨日絢斗に会ってから、忘れようと思ってもなぜか頭に思い浮かんでしまい、今日は三十分ほどしか眠れなかったのだ。

そのせいで頭が痛くてぼんやりしていたんだ…。

それにプラスして、律希に絢斗と一緒にいたことが最悪な形でバレてしまい、どうしようという気持ちでいっぱいになってキャパオーバーになってしまったのかもしれない。


「私は担任の先生に知らせてくるね。教室戻れそうだったら戻ってもいいし、もう少し休みたかったらゆっくりして行ってー」
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