内緒の双子を見つけた御曹司は、純真ママを愛し尽くして離さない
母が勝手にしたことだが、椿姫に結婚を期待させている中で卓也から振ってしまえば、父親である六王寺事務次官が怒るだろう。

公的業務に私情を挟むような人ではないと思いたいが、可能性を否定もできない。

時期経営者として、日星製薬に不利益が被る事態は避けねばならないと考えていた。

(果歩と会社、両方を守るにはこうするしかない。気乗りはしないが)

カフェの従業員が注文を取りにきて、卓也がコーヒーとガトーショコラのケーキセットを選ぶと椿姫がクスッとした。

「スイーツがお好きなのですね」

「大の男がケーキを注文したらおかしいですか?」

「いいえ、気取らずに素顔を見せてくださるのがとても嬉しいです。私はフルーツタルトと紅茶にします」

卓也が心を開いていると思ったのか、椿姫は満足げな笑みを浮かべている。

すぐにケーキセットが運ばれてきた。

椿姫は美しく盛りつけられたフルーツタルトをひと口食べて、微かに眉を寄せた。

どうやらお嬢様の肥えた舌を満足させるものではなかったらしい。

フォークを置いて紅茶のカップに口をつけた椿姫が卓也を見る。

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