内緒の双子を見つけた御曹司は、純真ママを愛し尽くして離さない
「レモンスカッシュを」

天気も心もすっきりしないので、冷たくさっぱりした飲み物が欲しかった。

メニューを返したら、彼は開かずにテーブルの脇に立てかけた。

「ホットコーヒーとレモンスカッシュをください」

カウンター内と客席側を行ったり来たりして忙しそうにしている店主に、声を張り上げて注文した飛島の遠慮のなさにギョッとした。

「あの」

「なにか?」

(気の毒に思わないのかな。ゆっくりでいいと言った手前、私は申し訳なく思うのに)

出会ったばかりでかなり年上の飛島に意見する勇気はなく、果歩は首を横に振って本題に移ろうとした。

「お話とはなんでしょう? 卓也さんが弁護士さんを雇っているのを知りませんでした。普通の会社員なのにどうして……それも教えてください」

弁護士に依頼すれば高額請求されるイメージを持っている。

普通の会社員が気軽に雇えるものではないだろうし、特別なトラブルを抱えていなければ必要ないことでもある。

眼鏡の奥の狐目がわずかに見開かれた。

一拍置いて淡白な口調で言われる。

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