愛されてはいけないのに、冷徹社長の溺愛で秘密のベビーごと娶られました
元々佐竹さんと起こした会社も順調だったみたいだし、KMシステムズの社長に就任するくらいだ。彼にとってこれくらいのマンションに住むのは当然なのだろう。
「愛理、こっちだ」
「う、うん」
私の荷物を持った紘人に促される。真紘は初めて来た場所に、下がりかけていた瞼がすっかり元通りだ。
緊張した足取りで彼について行く。案内された部屋は玄関からして広々としていて、うちのアパートとは大違いだ。まだ新築の香りがする。染みひとつない真っ白な壁の廊下を通り、リビングに通された。
ソファとテーブル、壁掛けテレビに備えつけの棚。彼自身も引っ越して間もないからか必要最低限の家具しかない。呆然とたたずんでいると興味を示した真紘が下りたいと主張しだす。
「たー。あー」
「ま、真紘」
慌てて制止しようとするが、暴れだして抱っこできない。そんな私たちに紘人が不思議そうに尋ねる。
「下ろすとまずいのか?」
「まずいというより、真紘が汚しそうで」
よだれも出ているし、あちこち触わりそうだ。どうしたって気が引ける。テーブルの下に敷いてあるグレーのラグマットはグふかふかで高級そうだ。
「かまわない。真紘が危なくないならそれでいいんだ。フローリングが心配ならプレイマットを購入してもいいし」
アパートにも敷いてあるのを知っていての申し出だろう。私はおずおずと真紘をそっと下ろした。その途端、真紘はソファまでハイハイしていくと、すぐにつかまり立ちを始める。ちょうどいい高さだったらしい。
「愛理、こっちだ」
「う、うん」
私の荷物を持った紘人に促される。真紘は初めて来た場所に、下がりかけていた瞼がすっかり元通りだ。
緊張した足取りで彼について行く。案内された部屋は玄関からして広々としていて、うちのアパートとは大違いだ。まだ新築の香りがする。染みひとつない真っ白な壁の廊下を通り、リビングに通された。
ソファとテーブル、壁掛けテレビに備えつけの棚。彼自身も引っ越して間もないからか必要最低限の家具しかない。呆然とたたずんでいると興味を示した真紘が下りたいと主張しだす。
「たー。あー」
「ま、真紘」
慌てて制止しようとするが、暴れだして抱っこできない。そんな私たちに紘人が不思議そうに尋ねる。
「下ろすとまずいのか?」
「まずいというより、真紘が汚しそうで」
よだれも出ているし、あちこち触わりそうだ。どうしたって気が引ける。テーブルの下に敷いてあるグレーのラグマットはグふかふかで高級そうだ。
「かまわない。真紘が危なくないならそれでいいんだ。フローリングが心配ならプレイマットを購入してもいいし」
アパートにも敷いてあるのを知っていての申し出だろう。私はおずおずと真紘をそっと下ろした。その途端、真紘はソファまでハイハイしていくと、すぐにつかまり立ちを始める。ちょうどいい高さだったらしい。