愛されてはいけないのに、冷徹社長の溺愛で秘密のベビーごと娶られました
「そう感じさせるのが、まだまだだなって思うんだ。愛理は……母親はどんなに子どもの世話をしても当然で当たり前だって見られるのに、父親は少し子どもと触れ合って面倒を見たら、いい父親だって評価になる」

 ある意味、そういった面があるのもたしかだ。けれど紘人が気まぐれに真紘を可愛がっているわけではないのは、この短い期間だけでも伝わっている。

 しみじみとため息混じりに呟くと、紘人は改めて私と目線を合わせてきた。

「感謝してくれるのは嬉しいけれど、俺は愛理と真紘を育てて、ふたりと一緒に過ごすのを当たり前にしたいんだ。これから仕事で忙しくなるだろうから偉そうなことは言えないかもしれないけれど、愛理と真紘を一番大切にしたいと思っている」

「……ありがとう」

 そんなふうに思ってくれるだけで十分だ。そう言ったら紘人はまた不満げな顔をするかもしれない。

 それから真紘を抱っこし、家の中を案内される。部屋数や造りながら間違いなくファミリータイプの間取りだろう。

「ここが寝室」

 ドアの向こうには大きなベッドがひとつ置いてあり、それでも十分な広さがある。ダークブラウンと白を基調とした落ち着いた雰囲気でなんだか彼のプライベート空間を覗いた気持ちになりドキドキしてしまう。

「このベッドの隣に同じものをくっつけて三人で寝るのでかまわないか?」

 ところが思わぬ紘人の投げかけに目を見張った。

「え?」

 私の反応に紘人は首を傾げる。
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