愛されてはいけないのに、冷徹社長の溺愛で秘密のベビーごと娶られました
 自分でもどうしてほしいのかわからなかった。やめてほしいのか、やめてほしくないのか。

 彼の指が下着と肌の間をかいくぐって胸のふくらみをなぞっていく。その瞬間、電気が走ったかのような錯覚につい声があがった。

「あっ」

 反射的に紘人の首にしがみつくと、今度は腰に回されていた手まで肌に伸ばされる。両方の手がそれぞれ別の箇所に添わされ、意識をどこに持っていったらいいのか混乱する。

「やっ……」

 びくりと肩を震わせると紘人がちゅっと頬に口づけた。 

「可愛い。もっと触れたらどうなる?」

 それを彼はよく知っているはずだ。首を小さく横に振ったが、紘人はブラウスと共にブラもたくし上げた。空気に触れた素肌が寒く感じるのと同時に、あられもない姿を晒している状況に恥ずかしさで熱くなる。

 居た堪れなさで顔を上げた。

「待っ、て。やっぱり」

「待てない」

 止めようとしたが、紘人は言うや否や唇を重ねてきた。その隙に胸全体を包むようにして揉みしだかれ、指先と手のひらを使って触れ方を変えながら、丁寧に愛撫される。

 快楽の波が押し寄せてきて、息が詰まりそうなほど苦しい。

「はっ……んっ……」

 キスのおかげで声は抑えられたが、勝手に涙が滲んでいく。けれど嫌な気持ちはまったくない。それどころか彼への想いがあふれだす。

「気持ちいい?」

 吐息を感じるほどの距離で紘人から艶っぽく問いかけられる。笑みを浮かべながらもその表情にはどこか余裕がなかった。私は何度か瞬きを繰り返し、紘人の目を見て少しだけ迷ったあと、小さく頷く。

「う、ん」
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