❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛
ここはどこだ。

病室に戻ってきた大館は起き上がっている拓真の姿に驚きを隠せなかった。

「若頭、お気づきになりましたか」

「大館、俺はどうしたんだ」

「若頭は狙撃されて、生死を彷徨っていました、でもかすみさんがずっと寄り添ってくれていました」

「かすみ、かすみはどうなった」

「疲れが出たようで、別室で休んでおります」

「そうか」

「若頭、喜んでください、かすみさんが婚姻届にサインをしてくれて、
かすみさんは春日部かすみになられました、手術も受けるとおっしゃってました」

「そうか」

拓真は喜びを噛み締めていた。

早くかすみを抱きしめたい。

別室で処置をしてもらったかすみは絶対安静になり、ベッドの上で

拓真が目覚めた事を大館から聞いた。

「よかった、拓真さんよかったですね」

かすみは涙でぐちゃぐちゃになった顔をちょっと歪めながら、

痛みに耐えていた。

それから数日後、拓真はベッドから起き上がれるほどに回復した。

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