❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛
「うまい、さすがはかすみだ、やっぱりかすみがいないとダメだな」

二人は微笑んだ。

こんな些細な時間でも、幸せ。

かすみはこの時間がなるべく続きますようにと祈った。

その頃、真山梨花は拓真とかすみの婚姻届の事実を知った。

どう言うことなの?

私を差し置いて結婚しちゃうなんて。

「剣城、何をやってるの、健斗は結婚しちゃったじゃない?」
「申し訳ありません」

梨花のお守り役、真山組若頭剣城は梨花に頭を下げた。

「全く、どいつもこいつも、役に立たないんだから、狙撃だってちょっと脅すだけって言ったのに……」

「お嬢、新堂健斗を狙撃したのは、お嬢が依頼したんですか」

「だったら何?」

「間違えば、新堂健斗組長は命を落としていたんですよ」

「そ、そんなの、私のせいじゃないわ」

梨花は剣城の言葉に狼狽えていた。

「近藤組と新堂組の抗争だと思っていましたが、まさかお嬢だったとは、何をしたんですか」

< 94 / 176 >

この作品をシェア

pagetop