王子様は拗らせお姫様の虜
「どしたの?」

「……凄く高そうなお部屋だけど……」

こういう所も可愛いなと思う。

僕が、実花子にお金を使うことなんて、当たり前だと思えばいいのに。

「当たり前じゃん、お姫様が、泊まる部屋なんだから」

「えと、お姫様って……」

「実花子以外に誰がいんの?」

僕は、実花子を後ろから抱きしめた。くるんと巻いた栗色の髪の毛からは、甘い匂いがして、僕は、はっきり言って景色より、早く実花子と、ベッドの上を楽しみたい。

「ね、実花子、部屋の露天風呂みた?」

「え!お部屋に露天風呂あるの?」

僕が、にんまり笑うのとほぼ同時に実花子が、さっと振り向いた。

「一緒には入んないからねっ」

「何で?僕、実花子と一緒じゃないとやだ」

「やだって……千歳、子供じゃないんだからっ」

「何で僕と一緒に入るの嫌なの?」

僕は、ワザと聞いた。
(どうせ恥ずかしいからでしょ)

「ばかっ、恥ずかしいからに決まってるでしょっ!」

実花子の言うことなんて手に取るようにわかる。

「どうせ、ベッドの上で脱がされるんだから、もういいじゃん」

僕は、実花子が小さく悲鳴をあげるのも構わず横抱きにすると、ご機嫌で、部屋の露天風呂へと向かった。
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