王子様は拗らせお姫様の虜
お姫様の寝顔は、いつ見ても、何時間見てても飽きることはない。  

僕は、湯船で、意識を失った実花子を抱き抱えると、浴衣を羽織らせて、ベッドに寝かせた。

「やっちゃったな……」

実花子が一纏めにしていた、髪留めを外して、長い髪を漉きながら、僕は、お姫様の寝顔に魅入っていた。

実花子は、先に意識を失ってるから分からないと思うが、僕は人生で初めて避妊しなかった。

「僕って、独占欲強かったんだな」

実花子と付き合ってから、気付かされることがたくさんある。自分が小さなことで嫉妬する事、誰にも実花子を渡したくなくもなければ、見せたくもないくらい、自分の腕の中に常に囲っていたい事。さらには、既成事実を作ってでも、実花子を手に入れたいこと。

ーーーー僕は、目の前のお姫様の虜だ。

「ねぇ……僕だけずっと見てよね」

長い睫毛は、返事することなく、すやすやと寝息を立てている。

「実花子、早く僕のお嫁さんになってよ」

僕は、マシュマロみたいな、実花子の、頬をツンと突いた。

実花子のウェディングドレス姿なんて、きっと、この世の何よりもどんな宝石よりも景色よりも綺麗で一目見れば、僕の心にその美しさは、永遠に刻まれるんだろう。
< 15 / 20 >

この作品をシェア

pagetop