サンタクロースに執着されました
「詫びる前に言い訳するような男が、誠実だとでも思っているのですか」

夏目課長の言うとおりだ、昨日、一番に彼が口にするべきだったのは謝罪の言葉だった。
なのに言い訳して、嘘をついて。

「浮気をする男は、懲りずに何度だって浮気をしますよ。
僕なら絶対に浮気をしないと誓いますし、聖花を幸せにします。
だから、彼氏をブロックして、縁を切ってしまいなさい」

動揺する私に課長が畳みかけてくる。
課長の言葉に間違いはない。
あの人はあきらかに浮気しているのに私に詫びず、言い訳をして嘘をつき、さらに機嫌を取って誤魔化そうとした。
きっと結婚したあともそうやって悪びれることなく浮気をするのだろう。
あの人と結婚しても私は幸せになれない。

彼氏とのトークルームを開く。
そこには仕事なら仕方ないが、キャンセル料がもったいないので友達と行くとあった。
それを見て、すっと頭の芯が冷えた。
友達とは昨日のあの女性では?
迷いなく、彼氏をブロックする。

「……ブロック、しました」

「よくできました」

課長は口角をつり上げてにっこりと笑ったけれど、それはどこか作り物めいて見えた。

「これで聖花は、僕のものです」

ゆっくりと傾きながら課長の顔が近づいてきて、眼鏡の向こうで瞼が閉じられる。
つられるように私も、目を閉じた。
次の瞬間、柔らかいものが私の唇に触れて離れる。
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