私は人魚姫
明日、言わなきゃ。

私はそう決意すると、支度を済ませて眠りについた。



「魚々、行くな、行くな!!」



あなたは、誰?




そんな夢を見て、私は起きた。

出てきた男の子は誰だったんだろう?

渚、だったのかな?



「...」



今日が、人間でいられる最後の日。

私は渚を探しに、重い足取りで、部屋を出た。

使用人さんに、渚の居場所を聞いてみたが、わからないとのことだった。

渚、どこにいるの?

どんどん不安になってきた。

そんな時、目蓋の裏に、撫子の花が映った。

もしかして...

そんな期待を込めて花畑に行くと、渚がいた。

渚は"あの時"と同じ、寂しそうな顔をしていたんだ。
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