ピースな私と嘘つきなヒツジ
「連れのフリしたらナンパ男たちどっか行ってくれたね。…よかった。俺1人じゃ力じゃ敵わないだろうからちょっと怖かった…。」
ヒーローのように助けてくれた男性だったが、どうやら勇気を振り絞って声をかけてくれたようだった。そのおかげで千夏はナンパ男から助けられたのだが、ナンパ男たちから逃れた安堵で先ほど芽生えた危機感はどこかへ消えてしまい、ふわふわと再び酔いが回る。
(この声、なんど聞いてもキュンとなって心地よい…かなり良い声。どこかで聞いたことがあるような…。あぁ……、NAGI様の声に似てるんだ…。)
「ねぇ、千夏さん、大丈夫?」
「お兄さん、何で私の名前知ってるんですかぁ?やっと見つけたって怪しい…。ストーカーですか?」
「あ…そうか、わからないか。とりあえず、俺の飲みかけで悪いけどお水飲んで。ストーカーじゃないから安心して。」
「ストーカーじゃないならなんで私を探してたんですかぁー?」
「『探してた』はあいつらを追い払うための口実だから。」
助けてくれた男性は呂律の回らない千夏を近くの遊歩道にあるベンチに連れて行きベンチに座らせると、バッグからペットボトルを取り出して飲ませた。千夏は喉を通る水が気持ちよくてふわふわした気分で目を閉じながら『ありがとうございます。』とお礼を言い、ペットボトルを返したが酔っているせいでうまく渡せない。
「あー…。もぉ。しっかりして!じゃないと俺がお持ち帰りしちゃうよ。」
「お兄さんの声、私の好きな人にそっくり♥だから持ち帰っていいですよ~ん。なんてね(笑)」
「千夏さんの好きな人…?」
『好きな人』というワードが出て男性の表情は曇る。
「さっきから何で私の名前しってるんですかー?お兄さんばかりズルいです。私にもお兄さんの名前教えてください!」
「えっ?俺は……。俺の名前は……泉。」
男性は少し間を置いてそう答えた。
「泉くんって言うんですね!泉くんの声私の好みです。その声だーい好き!顔は…前髪とメガネでよく見えないけど嫌な顔ではない!あははっ!」
酔った勢いで千夏は泉に抱き着いた。
「はぁー…。まったく…。家まで送りますよ。」
「え?初めてあった泉さんには自宅は教えられないですよ~。」
泉の胸に埋もれたまま返事をする。
「じゃあ、どうしろって言うんだ…?」
「どうしましょ……。」
そういうと泉に抱き着いたまま千夏は動かなくなった。
「千夏さん?」
泉が呼びかけるが返事がない。
(あぁ…、ホントNAGIの声に似てる……。)
瞳を閉じて聞こえてくる泉の声が推しの声に思えて千夏は天国にいる気分だった。
「千夏さん?大丈夫ですか?」
(NAGIに呼ばれてる〜。幸せぇー…。)
「NAGIぃ〜……。むにゃむにゃ……。」
泉は心配してなん度も呼びかけるも、千夏からはスースーと寝息が聞こえてきた。
「千夏さんが悪いんですからね。ここで寝るのは危ないんで、マジ持ち帰りますよ。」
泉は本人に許可を取るかのように言うと、抱きかかえて自分の家へと向かった。
ヒーローのように助けてくれた男性だったが、どうやら勇気を振り絞って声をかけてくれたようだった。そのおかげで千夏はナンパ男から助けられたのだが、ナンパ男たちから逃れた安堵で先ほど芽生えた危機感はどこかへ消えてしまい、ふわふわと再び酔いが回る。
(この声、なんど聞いてもキュンとなって心地よい…かなり良い声。どこかで聞いたことがあるような…。あぁ……、NAGI様の声に似てるんだ…。)
「ねぇ、千夏さん、大丈夫?」
「お兄さん、何で私の名前知ってるんですかぁ?やっと見つけたって怪しい…。ストーカーですか?」
「あ…そうか、わからないか。とりあえず、俺の飲みかけで悪いけどお水飲んで。ストーカーじゃないから安心して。」
「ストーカーじゃないならなんで私を探してたんですかぁー?」
「『探してた』はあいつらを追い払うための口実だから。」
助けてくれた男性は呂律の回らない千夏を近くの遊歩道にあるベンチに連れて行きベンチに座らせると、バッグからペットボトルを取り出して飲ませた。千夏は喉を通る水が気持ちよくてふわふわした気分で目を閉じながら『ありがとうございます。』とお礼を言い、ペットボトルを返したが酔っているせいでうまく渡せない。
「あー…。もぉ。しっかりして!じゃないと俺がお持ち帰りしちゃうよ。」
「お兄さんの声、私の好きな人にそっくり♥だから持ち帰っていいですよ~ん。なんてね(笑)」
「千夏さんの好きな人…?」
『好きな人』というワードが出て男性の表情は曇る。
「さっきから何で私の名前しってるんですかー?お兄さんばかりズルいです。私にもお兄さんの名前教えてください!」
「えっ?俺は……。俺の名前は……泉。」
男性は少し間を置いてそう答えた。
「泉くんって言うんですね!泉くんの声私の好みです。その声だーい好き!顔は…前髪とメガネでよく見えないけど嫌な顔ではない!あははっ!」
酔った勢いで千夏は泉に抱き着いた。
「はぁー…。まったく…。家まで送りますよ。」
「え?初めてあった泉さんには自宅は教えられないですよ~。」
泉の胸に埋もれたまま返事をする。
「じゃあ、どうしろって言うんだ…?」
「どうしましょ……。」
そういうと泉に抱き着いたまま千夏は動かなくなった。
「千夏さん?」
泉が呼びかけるが返事がない。
(あぁ…、ホントNAGIの声に似てる……。)
瞳を閉じて聞こえてくる泉の声が推しの声に思えて千夏は天国にいる気分だった。
「千夏さん?大丈夫ですか?」
(NAGIに呼ばれてる〜。幸せぇー…。)
「NAGIぃ〜……。むにゃむにゃ……。」
泉は心配してなん度も呼びかけるも、千夏からはスースーと寝息が聞こえてきた。
「千夏さんが悪いんですからね。ここで寝るのは危ないんで、マジ持ち帰りますよ。」
泉は本人に許可を取るかのように言うと、抱きかかえて自分の家へと向かった。