世界を救うために奮闘するお話
だが、今回の夜会はやけに居心地が良かった。

女性が殆どいない。声をかけてくるのは男性ばかり。数少ない女性も年の功を過ぎた伴侶連れであった。

3人は、緊張が緩みはじめ、会場内を再び歩き回ると、近くに置いてあった飲み物を手に取って
口に付けようとしていた所で

調子の良さそうな男が近付いてきた

「ルシウス殿下!
今日はようこそおいでくださいました!
我がブライト家の夜会に参列して頂き
至福の極みでございます。
今宵は楽しんで頂けておりますでしょうか?」

と、先程のルキアスに対する態度と
同じ。完全なるゴマすりで
ヘコヘコと品のない挨拶をする
ブライト男爵。

「うむ、今宵は招待に感謝申し上げる。
とても居心地の良い夜会だと、2人と今
語らっていた次第だ」
と、ルシウスが返した。

するとブライト男爵は
リチャードとローハンの顔を見ると
「ええ、存じておりますとも。
メルディ国の王子、リチャード様と
ジルグ国の王子、ローハン様で
あらせられますね。
ご挨拶が遅れて申し訳ありません。」
と、ブライト男爵は頭を下げた。

どうやら、身分の上の者には
徹底的にゴマするタイプの人間なようだ。

「今宵は招待感謝申し上げる。」
と、リチャードとローハンが
それぞれこたえた。
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