世界を救うために奮闘するお話
『通り道』で起きた事も、あの夜会で起きた事も一緒にして考えると色々と辻褄が合ってくる。

本来『通り道』にしかない亀裂があの会場に現れた事も、それだけで考えると全く説明がつかない。

全ては、あの日あの時そうなるように
何者かによって仕向けられた事であると考えるのが1番しっくりきた。

『通り道』で起きた事は、戦力を二分して、確実に目的を達成するための目くらませだったのだ。敵側の作戦は抜かりがなく完璧に達成されるハズであった。

だが、そうはならなかった。

ほんの少しの手がかりから
皆が協力し、結末を変えたのだ。

メイファンとルーシアはそれを目の当たりにし
幼き頃の、ほんのイタズラ心で見てしまった
あの書物の話を皆にする事にしたのだった。

それは結婚式当日に閲覧出来る事になっていて、一生に一度しか読む事が出来ず、自分自身が今までどうやって生きてきたかの全てを知る事が出来ると言われている。
この世界では魂は循環しているのだ。何度も何度も生まれてその人生をまっとうし老いて死んでいく。
ただし、読み終わった瞬間から記憶が薄れ始め、72時間で内容が記憶から全て消えてしまう。



『紡がれる証』という生者の本の話しを。


第一部 完
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