世界を救うために奮闘するお話

その後 第一章エピローグ

あれから数日がたった。

ブライト男爵の尋問は未だ継続中のようだが
おかしい事に、彼は記憶を全て失っていた。
自分が誰であるかもわからず。彼よりもかなり若い尋問官の事を「おじさん」と呼んだ。

最初は演技なのか?と思ったが、そうでもなさそうだ。間もなく、帝国内にある病院に移送され、経過を見ているとの事らしい。

娘のピーチパティの消息は未だに掴めず
皇太子ルキアス直々の命で、皇宮騎士団の
一部隊を使って大陸中を捜索中。

ただ、あの夜会に出席した一行は
皆口に出しては言わないが、恐らく魔界にいるのではないか?と考えている。ルキアス自身もそう思っているのだが、事が事だけに最善を尽くさないといけないからだ。

それ以外の事に関して言えば
とても穏やかな数日間だと思う。

『通り道』から、たまに中級クラスの魔物が入り込んでくる程度で、至って平穏であった。

あの日『通り道』での諍いの連絡が来て、早々に現場に向かったリーベンとイーハンが着いた頃には自体は何事もなくキレイさっぱりと治っていたそう。

「確かに、爆音がして魔物や魔族が侵入しようとしてきた事を確認したのです!」と
任についていた指揮官が必死な形相で説明するので、事実なんだろうが、2人が着いた頃には、時折り迷い込んで入ってくる悪意のない魔物すら現れなかった。
(そういった魔物には乱暴な事はせず、そっと誘導し送り返している。こちらの生物との混血を避けるため)

念の為、その場に留まり様子を見ていたら
メイファンとローハンが合流し、朝までそこのキャンプで過ごして解散となったそうだ。
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