世界を救うために奮闘するお話
「わたくしとメイファンが7つの頃、王宮内の図書室で遊んでいると気がついたら閲覧禁止の部屋にいたのです。そこで、偶然目に止まったのが『紡がれる証』という本でした。その本は結婚式当日に各国の王族の血を受け継ぐ者は閲覧出来る事になっているのは知っていたのですが、どうしても読んでみたくて好奇心に負けて開いてしまったのです。その本は開いた時は白紙だったのを今でも覚えています。手を触れたら頭の中に映像が流れ、自分が今まで歩んできた道が走馬灯のように駆けめぐりました。わたくしは200年前も500年前もずっとわたくしでした。名前は違えど親が違えどアルクの娘で騎士でした。我々一部の王族は魂が循環しているという話は本当のようです。ただ、今の世の1つ前の世代だけがおかしかったんです。そこは大きな建物が密集して立ち並び
人をたくさん乗せ高速で動く乗り物や空を飛ぶ機械、たくさんの人間が住んでいて道路の上に道路があるくらいなのです。その時のわたくしは姫でも騎士でもなく平民でしたが、何不自由なく育てられ、きちんとした教育も受け大学生というものでした。その頃、わたくしは普通の女の子で毎日が充実し、世界中を渡り歩いてるスーパーモデルの大ファンで応援していたようです。その人が出したファンタジー小説が世界中で大ヒットし、わたくしも買って何度も読んだのです。その後、わたくしは事故に巻き込まれ亡くなりました。亡くなる直前までこの本を読んでいたので、魂も良く覚えていたようなのです。これからお話するのは、その物語の内容です。箇条書きにしてあるものをそのまま読みますね。ビックリの連続となる事をご承知起きください。」と、ここまで言うと、ルーシアは手持ちのファイルをめくり、「ふぅ」と大きな深呼吸を1回すると続けた。
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