微妙にHではない恋愛@異文化交流物語・魔法の恋の行方シリーズ7・アラゴンとアクア

諜報活動2日目


その夜、
アラゴンは、フェアリー大使館の庭の植え込みにしゃがんでいた。
上着のポケットから、
ピンクのリボンを取り出し、首に結んだ。

シュッ、シュッ、
口を開けて、ミント味の口臭予防スプレーをする。
ポケットから小さな鏡を出し、
自分の顔を映すと、それに向かって小さな杖を振り下ろした。

ぽんっ
ピンクのフワフワの子猫が座っていた。

よし、問題ないな・・子猫はうなずくと

「にゃー・・・にゃー」
と、アクアを呼び始めた。

「ピンクちゃん、来てくれたの?」
アクアが窓を開けて、庭の芝の上に座っている、子猫を見つけた。
「にゃぁー」

「待っていてね!」
アクアが、玄関ホールから出て来たので、
子猫は小走りで駆け寄り、足元に、小さな頭をグリグリなすりつけた。

アクアは、子猫を抱っこすると、
玄関脇の応接間に入っていった。

そこには、若いフェアリーの男が座っていた。
フェアリーは、男も美しい。
濃い緑に金が混じるメッシュの髪、
すらりとした長身で、お茶を飲む所作も優美だ。
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