微妙にHではない恋愛@異文化交流物語・魔法の恋の行方シリーズ7・アラゴンとアクア

長距離耐久飛行訓練


切り立った崖の縁に、
学生たちと、アラゴンが大鎌を
持って立っていた。

崖下は蛇行する川が流れて、
強風が時折、吹き上げてくる。

「これから、耐久飛行訓練を行う。向こうの山を回ってここに戻って来る。
タイムトライアルだ。
脱落者は死ぬ・・・レスキューはしない、いいな」

アラゴンは、ぐるりと学生を見回した。
アラゴンは大鎌を置いて、アクアを見た。

「俺は道に迷わないよう、
先導するから、アンタはしんがりを務めろ。
無理そうな学生は、すぐに帰還するように言え!」

アクアはうなずいた。
「行くぞっ!」
アラゴンは、崖から飛び出した。

ひと際大きい、ガングレーメタリックの翼が、太陽の光に輝く。
すごいスピードで、あっという間に姿が小さくなった。

それに続くように、生徒たちも翼を広げて、飛んで行く。

最後の生徒が飛ぶと、アクアも羽を広げた。
薄く、透き通るようなカゲロウのような羽。
翼とは・・・言えないが、ふわっと飛び上がった。

「ああ、早い・・!」
風が強いと、流されてしまう。

パタパタ、ジタバタしながら、
アクアはルートから外れていく。

そもそも、魔族と基礎体力が違う。
フェアリーは、長距離飛行の翼を、有してはいない。

アクアは風に流されて、川沿いの河原に着地した。
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