微妙にHではない恋愛@異文化交流物語・魔法の恋の行方シリーズ7・アラゴンとアクア
2年後
フェアリー領では大規模なファッション・コレクションを
開催するほどになった。

アラゴンは、ファッションショーの警備で忙しい。
黒のスーツに、片手に大鎌、背中のかごには赤ん坊がすやすや眠っている。

アラゴンは警備担当部署の魔族と、会場入り口で最終確認をしていた。
「おい、アラゴン、忙しそうだな」
父親の大アラゴンが、空から着地した。

「おう、オヤジ、孫の顔を見に来たのか?
汚い手では触らせないぞ」
アラゴンはうさんくさそうに、目を細めた。

「もちろん、ちゃんと、消毒してきたさ。
可愛い孫のためなら、なんでもやるぞい」
大アラゴンは、かごの中の赤ん坊の顔を覗き込んだ。

赤ん坊は漆黒の髪がふさふさで、ピンクのほほ、
目を閉じているので、長いまつげが愛らしい。

「まったく、アクアちゃんに似て、すっごい美人さんだな。
サキュバスなら、ぶっちぎりでナンバーワンになれる」
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