朝なけに
「敵対してるグループの何人かと居合わせたバーで派手に揉めて。
アイツも相手に大怪我させたりしてるから、ただの被害者ってわけではないんだけど。
向こうが持ち出したナイフで刺されて、そのままねぇ」
「…そうなのですね」
「葵衣、今の彼氏の事を凄く大好きなのは知ってるけど。
出来たら葵衣には半グレとかじゃなくてもっと普通の人と幸せになって欲しかった」
沙也加さんにそんな辛い過去がある事を知った今は、それに何も言えなかった。
知らなければ、中さんは半グレだとしても私は幸せだから、とか言い返したかもしれない。
中さんも、珠理奈ちゃんのお父さんのようにそうやって危険な目に合う事がこの先あるのかもしれないって、考えてしまう。
「けど、オーナー見てて思うけど、今はもう落ち着いてるよね。
昔の事なんて、無かったように」
昔の事…。
沙也加さんが口にしたオーナーである千里さんの事は分からないけど。
以前、中さんから聞いた昔の事。
"――詐欺みたいな事や女を無理矢理みたいな事はしてねぇけど、
クラブでうぜぇ奴殴ってそいつの財布から金抜いたり、乱交みてえな事してるのを、俺はヤッてないけど端で見てたりはしてた。
人は殺してないが、殺しかけた事はあるな。
グループでヘマした奴をしめたり…簡単に言うとリンチだな。
後は…違法賭博とかか――"
アイツも相手に大怪我させたりしてるから、ただの被害者ってわけではないんだけど。
向こうが持ち出したナイフで刺されて、そのままねぇ」
「…そうなのですね」
「葵衣、今の彼氏の事を凄く大好きなのは知ってるけど。
出来たら葵衣には半グレとかじゃなくてもっと普通の人と幸せになって欲しかった」
沙也加さんにそんな辛い過去がある事を知った今は、それに何も言えなかった。
知らなければ、中さんは半グレだとしても私は幸せだから、とか言い返したかもしれない。
中さんも、珠理奈ちゃんのお父さんのようにそうやって危険な目に合う事がこの先あるのかもしれないって、考えてしまう。
「けど、オーナー見てて思うけど、今はもう落ち着いてるよね。
昔の事なんて、無かったように」
昔の事…。
沙也加さんが口にしたオーナーである千里さんの事は分からないけど。
以前、中さんから聞いた昔の事。
"――詐欺みたいな事や女を無理矢理みたいな事はしてねぇけど、
クラブでうぜぇ奴殴ってそいつの財布から金抜いたり、乱交みてえな事してるのを、俺はヤッてないけど端で見てたりはしてた。
人は殺してないが、殺しかけた事はあるな。
グループでヘマした奴をしめたり…簡単に言うとリンチだな。
後は…違法賭博とかか――"