後宮鳳凰伝 愛が行きつくその先に
「そう、私たちは対等ではない。あなたは静妃で、私は良妃。私があなたの侍女をどうしようと、あなたがとやかく言う資格はない。分かるわよね?」

「………もちろんです。差し出がましいことを申し上げました。申し訳ございません」

膝を折って深々と頭を下げる。

喩良妃は興味が失ったように、美凰から視線をそらし、阿蘭を押さえつけている侍女たちに連れて行くよう命じる。

「喩良妃さま!私が悪くございましたっ!どうか、どうか、お許しくださいっ!美凰さま、お助けくださいっ!美凰さま!美凰さまあああっ!」

「では、失礼するわね」

「お見送りいたします……」

喩良妃が去るのを見送り、美凰はその場にくずおれる。

侍女がすぐさま駆け寄ってくる。

「徐静妃さま!大丈夫ですか!?」

「大丈夫よ……利欲を呼んできてちょうだい」

「す、すぐにっ!」

よろめきながらも腰掛けに座ると、利欲と惢真が駆け込んできた。

「美凰さま、大丈夫ですか!?阿蘭さんが喩良妃さまに連れていかれたと聞きましたが……殿下にお伝えした方が良いのでは?」

「だめよ……。殿下を頼ればますます喩良妃に恨まれるわ……阿蘭も無事ではいられない」

「ですが、阿蘭さんが無事でいられるかどうか……」

「阿蘭は少し傲慢なところがあるわ……あの性格を直さないとあの子が危ないの。酷だと思うけど、喩良妃にしつけ直された方があの子のためだわ……」



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