死神キューピッド
「あの、ここからは俺の推測ですけど。多分、これからはバイト代から高田さんあてに送金されても、そのお金を受け取る人はいない……ってことじゃないかと、……思います」


「つうか、マジで何言ってんだよ……」


「すみません。俺も詳しいことは聞かされてなくて」


気まずそうに頭を下げたそいつに、言いようのない怒りがこみあげる。


誰だよ、こいつ。


なんなんだよ、いきなり人の家の事情にズカズカ踏み込んできて。


ふざけんなよ。


「あんた、何者?」


動揺で声が震える。


手に負えない黒い感情がどろっと流れ出す。


そもそも、おかしいだろ。どうして、見ず知らずの奴に、こんなこと知らされなきゃいけないんだよ……。


「俺が何者か? それは、俺が教えてもらいたいくらいなんですけど。よく分かってなくて、すみません。じゃ、俺は、ここで」


「あ……」


その横顔で、気が付いた。
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