死神キューピッド
「問題って、……えっと、虹太は、なにを、やらかしたの?」


「こっちの世界でお前に会わせてもらう代わりに、バイトしたんだ。けど、俺、キレちゃってさ。いかつくて人の好さそうなコンビニ店員に」


「虹太って、……キレるの?」  


私は、虹太ほど、穏やかなひとに会ったことがない。


虹太は、生まれながらの人たらし。


虹太がいるだけでその場がぱっと明るくなって、湿った空気も、こんがらがった人間関係も、からりと笑い飛ばして、心地よく周りをつつむ。


そんな虹太が、コンビニ店員さんに、キレた?


「死んだ自分にずっとイラついてたんだよ。お前と一緒にいられなくなったことの意味とか、ずっと考えてて」


それは、私も考えてた。


虹太のいない人生を生きることの意味を、ずっと、考えてた。


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