死神キューピッド
「嬉しそうに秒で答えんなよ。けどさ、残念ながら、俺はただのしたっぱ幽霊なんだよ。柚の運命を変える力なんて持ってない。幸せにしてやることもできなければ、……救ってやることもできないんだよ」


「虹太はいつも私のことを救ってくれるよ」


今、この瞬間に、虹太が一緒にいてくれてどれだけ私が嬉しいか、虹太にはきっとわからない。


虹太が困ったように私の頭をくしゃりとなでる。


「あのさ、さっき、高校時代の話をしてただろ?」


「うん」


「可愛い柚にひとつだけ、俺がずっと隠してたこと言っていい?」


「うん?」


……隠してたこと?


「まあ、多分、結構驚くと思うし、引くと思うけど」


「彼氏が幽霊になって戻ってきた以上に驚くことなんて、あるのかな」


真顔でつぶやくと、そうだな、って笑いながら、虹太が続ける。


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