死神キューピッド
だって、私は、決してキレイなタイプでもないし、全然、カッコよくもない。


ひっそりと静かに生活できればそれでいいと、目立たないように生ぬるい毎日を送っていた。


ただの弱虫で、根性なしだ。


それにくらべて、虹太はキラキラと眩しくて、いつだって人の輪のなかで煌めいていた。


私と虹太は、同じ教室という箱のなかにいただけ。


私にとって虹太は、遥か彼方で瞬く、もうそれは星のように遠い存在だった。


「柚はさ、俺にとって手の届かない憧れの存在だったんだよ」


「そ、それは、私のセリフだよっ」


かぶせるように返事をしたけど、動揺しすぎて声がひっくり返った。


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