死神キューピッド
「わ、私こそ……! 本当に、私こそ、こんな私を好きになってくれて、どうもありがとう」


伝えながら、じわっと胸が熱くなる。


残酷な現実が、心を凍てつけるのに。


ふたりのぬくもりは、そんな現実にも、奪われない。


「虹太が、私とつきあってくれるなんて、奇跡だなって思ったの。それは、今でも思ってる」


……なんであの子が虹太くんの彼女なの?って、何度となく言われてきた。


「あのさ、告白したのは、俺だよ?」


「うん、すごく嬉しかったから、覚えてるよ」


虹太と視線がぶつかり、あの頃のことを思い出して。


ぷ。


ぷぷっ。


同時に吹きだした。


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