死神キューピッド


「うんっ」


「いい名前だな」


明るい人生を約束されてそうな、いい名前だ。


子供なんて持ったこともないし、この先もつ予定もないけど、ひょんなことで知り合ったハルキが、いつか幸せになってくれればいいと思う。


あの、亡くなった患者のためにも、そう願わずにはいられない。


……そっか、子どもって未来への祈りみたいなもんなんだな。


青空を背景に、くったくなく笑うハルキに、そんなことを想う。


ずしりと心地良いハルキの重さに、その幸せのはしくれを教えてもらった気にさえなる。


「ほら、降りろ。ハルキ」


思いの外、素直に地上におりたハルキに、肩透かしをくらった気になる。


やっぱり子供っていうのは、よくわかんねえな。 


「じゃあな」


ハルキに片手をあげて、くるりと背中を向ける。


歩き出したところで、腕をひかれた。


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