絶叫、そして契り/『ヒート・フルーツ』第1部終盤エピソード特別編集版❣
その5
麻衣



とうとうアンコウに丸め込められちゃったか(苦笑)

でもまあ、嬉しいかな…

何しろ、めったには表に出ない深海魚がさ、愛車回してくれるってんだもん

しかも、同行には久美と静美を即座に指名してさ

憎いねえ…(苦笑)


...


うん…、どうせならあの二人には見届けさせないとな

最後までをさ

津波祥子には、また”悪趣味”だって苦言もらうだろうけど…

はは…

狂犬さん、ではそういうことになりましたんで、退院されたら即伺いますね


...


この後アンコウからは、都県境界隈の情報浸透の直近状況、並びに巷の論調を詳細に聞いた

うーん、だいたいは想定通りなんだが、何だかね…

”この辺”のところについては、真樹子さんも感ずるものがあったようで、しみじみ語ってたわ

「…今の三田村さんの報告を耳にすると、何か界隈の熱気というか、活力みたいなものが伝わってくるんだけど…」

「そうさ。アンタ達の一連の行動がさ、眠ってた子までを起こしちまったんだろうね、言ってみれば。これって、赤塗りになるだろ?」

なんと、あのアンコウがこんなクリーン発言かよ!

今日はいろいろ驚かせてくれるわ


...


「ええ、まさに!麻衣さん、私たち、紅丸有紀の構築したフレームをぶっ壊しに出たんだよ。なのに、結果はあの怪物の蒔いた種を咲かせたのよ!そうでしょ?」

「そうだね。はは、なんか皮肉な結果だなあ…」

「何ってんのよ。麻衣さん、いい…?選民気取りの紅組や南玉に加われず、気の合う仲間とバイクを乗り回したくても、その願いがずっと閉ざされていた連中を自由にしたのよ、あなたは!まさに私達が、この都県境の赤塗りを推進したのよ!」

アハハハ…、真樹子さん、こぶしを握って興奮状態だ

ケバイ顔を真っ赤にして、瞳孔開いてるって(爆笑)

まあ、気持ちは十分すぎるほどわかるしね、はは…

ってことで…!

いよいよあさって、西咲学院へ乗り込むことになったわけなんだよね…





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