モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
車寄せに馬車が停まると、公爵家から同行した護衛騎士レオが扉を開けて手を差し伸べてくれた。やわらかな茶髪と同色の優しそうな目をしているが、ベアトリスに対しては淡々とした態度だ。
「ありがとう、レオ」
笑顔でお礼を言うと、ずっと無表情だったレオの顔が一瞬驚きに染まった。たぶんいつものベアトリスの態度とは違っていたんだろう。だからといって、日常の細かいやり取りを思い出して再現するのは無理だし、わざとわがままに振る舞うのは気が進まない。
(早く今の私に慣れてくれるといいな)
レオの手を借りて降りてから辺りの様子を見回す。するとちょうど近くを通りかかった女生徒と目が合った。
彼女はびくりと怯えたような表情をしてから立ち止まり、深く頭を下げそこで動きを止める。少し様子を見たが微動だにしない。
(私が公爵令嬢だから気を使っているのかしら?)
魔法学院内では爵位にかかわらず平等のはずだが、実際は違うということだろうか。
「お嬢様、彼女に声をかけてあげてください」
戸惑うベアトリスにレオがそっと耳打ちする。ベアトリスは小さくうなずき、女生徒に微笑みかけた。
「ごきげんよう」
「おはようございます。クロイツァー公爵令嬢」
彼女はベアトリスをちらりとも見ずにますます深く頭を下げる。
どうやらかなり警戒されている。ベアトリスが困り果てたそのとき、急に周りが騒がしくなった。
「ありがとう、レオ」
笑顔でお礼を言うと、ずっと無表情だったレオの顔が一瞬驚きに染まった。たぶんいつものベアトリスの態度とは違っていたんだろう。だからといって、日常の細かいやり取りを思い出して再現するのは無理だし、わざとわがままに振る舞うのは気が進まない。
(早く今の私に慣れてくれるといいな)
レオの手を借りて降りてから辺りの様子を見回す。するとちょうど近くを通りかかった女生徒と目が合った。
彼女はびくりと怯えたような表情をしてから立ち止まり、深く頭を下げそこで動きを止める。少し様子を見たが微動だにしない。
(私が公爵令嬢だから気を使っているのかしら?)
魔法学院内では爵位にかかわらず平等のはずだが、実際は違うということだろうか。
「お嬢様、彼女に声をかけてあげてください」
戸惑うベアトリスにレオがそっと耳打ちする。ベアトリスは小さくうなずき、女生徒に微笑みかけた。
「ごきげんよう」
「おはようございます。クロイツァー公爵令嬢」
彼女はベアトリスをちらりとも見ずにますます深く頭を下げる。
どうやらかなり警戒されている。ベアトリスが困り果てたそのとき、急に周りが騒がしくなった。