モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
いったい何事かと視線を巡らせて騒ぎの原因を探していると、生徒がさっと左右に分かれ一本の道をつくる。
そこからやって来たのは、美しい黒髪に冴え冴えとしたサファイアブルーの瞳の、信じられないくらい見目麗しい男性だった。
彼は王太子ユリアン・ロイド・ダールベルク。
ベアトリスより二歳年上の十九歳だが、一昨年、国王が病に倒れ政務を代行していたため、魔法学院への入学が後ろ倒しになった。結果彼の側近共々、ベアトリスと同学年になっている。
(このユリアン王太子が私の十年来の婚約者なのよね。でもあまり関係はよくなさそう)
大事な召喚式のエスコート[野島12]をすげなく断れているし、いくら思い出そうとしても、ふたりで過ごした記憶がない。
生徒たちの視線を集めながら堂々と歩みを進めていたユリアンが、ベアトリスに気づき凛々しい眉を不快そうにしかめた。
ベアトリスはごくりと息をのむ。
(これは……関係がよくないどころか、嫌われているのでは?それもかなり)
こんな間柄でよくエスコートなんて頼めたものだと、あぜんとする。
ユリアンはにこりとも笑わずベアトリスの前を素通りする。相手が名ばかりの婚約者とはいえあまりに冷たい態度で、昨日までの自分だったら怒り狂っていたかもしれない。
今となってはこのまま立ち去ってほしいとしか思えないが。
そこからやって来たのは、美しい黒髪に冴え冴えとしたサファイアブルーの瞳の、信じられないくらい見目麗しい男性だった。
彼は王太子ユリアン・ロイド・ダールベルク。
ベアトリスより二歳年上の十九歳だが、一昨年、国王が病に倒れ政務を代行していたため、魔法学院への入学が後ろ倒しになった。結果彼の側近共々、ベアトリスと同学年になっている。
(このユリアン王太子が私の十年来の婚約者なのよね。でもあまり関係はよくなさそう)
大事な召喚式のエスコート[野島12]をすげなく断れているし、いくら思い出そうとしても、ふたりで過ごした記憶がない。
生徒たちの視線を集めながら堂々と歩みを進めていたユリアンが、ベアトリスに気づき凛々しい眉を不快そうにしかめた。
ベアトリスはごくりと息をのむ。
(これは……関係がよくないどころか、嫌われているのでは?それもかなり)
こんな間柄でよくエスコートなんて頼めたものだと、あぜんとする。
ユリアンはにこりとも笑わずベアトリスの前を素通りする。相手が名ばかりの婚約者とはいえあまりに冷たい態度で、昨日までの自分だったら怒り狂っていたかもしれない。
今となってはこのまま立ち去ってほしいとしか思えないが。