モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
無事に森を抜けたら、声をかけてみよう。
そう考えたそのとき、背筋をぞわっと悪寒が走る。
先ほどまで感じていた恐怖が凝縮して襲ってきたような感覚に、ベアトリスはその場で立ち止まった。
心臓がバクバク音を立てている。そのときユリアンの足もとが鈍い銀色に光るのが見えた。
光は瞬く間に円を描き見覚えのある模様に変わっていく……ベアトリスはとっさにユリアンめがけて走り出した。
彼の足もとに現れた光の円が描く模様は、転移門に刻まれていた印と同じものに見えた。おそらく転移の力が込められた魔法陣だ。それがなぜ森の中に突然現れたのかはわからない。
(このままだとユリアン王太子がどこかに飛ばされるかも!)
とにかくあの魔法陣の中にいてはだめだ。説明している暇などなく突撃して彼を魔法陣から押し出そうとしたそのとき、思いがけなくユリアンがくるりと振り返った。
「ええっ?」
勢いづいたベアトリスは止まれずにそのまま逞(たくま)しい彼の胸に飛び込んでしまう。
「クロイツァー公爵令嬢?」
ベアトリスの体あたりを正面から受け止めても、ユリアンはびくともせずに、心配そうな声をかけてきた。つまりその場から一歩も動いていないということだ。
「に、逃げて!」
足もとが輝くのを見てベアトリスは叫んだが、時すでに遅く魔法が発動した。
「ユリアン!」
「ベアトリス?」
そう考えたそのとき、背筋をぞわっと悪寒が走る。
先ほどまで感じていた恐怖が凝縮して襲ってきたような感覚に、ベアトリスはその場で立ち止まった。
心臓がバクバク音を立てている。そのときユリアンの足もとが鈍い銀色に光るのが見えた。
光は瞬く間に円を描き見覚えのある模様に変わっていく……ベアトリスはとっさにユリアンめがけて走り出した。
彼の足もとに現れた光の円が描く模様は、転移門に刻まれていた印と同じものに見えた。おそらく転移の力が込められた魔法陣だ。それがなぜ森の中に突然現れたのかはわからない。
(このままだとユリアン王太子がどこかに飛ばされるかも!)
とにかくあの魔法陣の中にいてはだめだ。説明している暇などなく突撃して彼を魔法陣から押し出そうとしたそのとき、思いがけなくユリアンがくるりと振り返った。
「ええっ?」
勢いづいたベアトリスは止まれずにそのまま逞(たくま)しい彼の胸に飛び込んでしまう。
「クロイツァー公爵令嬢?」
ベアトリスの体あたりを正面から受け止めても、ユリアンはびくともせずに、心配そうな声をかけてきた。つまりその場から一歩も動いていないということだ。
「に、逃げて!」
足もとが輝くのを見てベアトリスは叫んだが、時すでに遅く魔法が発動した。
「ユリアン!」
「ベアトリス?」